H-2023/07/23 NHK沁みる夜汽車を見て「83歳の通学電車〜大阪メトロ 御堂筋線〜」

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少し前今年の7月中旬頃だが、偶々朝NHKBSで、「沁みる夜汽車」という番組の再放送(初回放送日: 2022年10月24日)を見ていたら、思いのほか番組に引き込まれ感動し、またいろいろと考えさせられた。

まずは以下番組案内をそのまま引用しよう。

「鉄道にまつわる心にしみるエピソードをお届けするシリーズ。83歳の男性が毎日通うのは、夜間中学。その心の内には亡くなった家族への思いが・・語り:森田美由紀 大阪市に住む石田稔さんは、83歳。毎日御堂筋線に乗り、夜間中学に通う。学ぶのが楽しくてしようがない。子どものころ、家計を支えるため小学校までしか通えなかった石田さん。運転手の仕事で暮らしてきた。高齢になって学びはじめたのには、ある思いが。石田さんは阪神・淡路大震災で妻と子どもたちを亡くした。その家族から「お父さん、しっかり生きて」そう言われた気がしたのだ。石田さんの学びの日々と思いを見つめた。」

若干補足とすると、この石田さんという方は、若い頃勉学意欲は高かったものの、家庭の事情で小学校までしか行けず、働いて家計を助けていた。その後、本人は所帯をもち、3人(だったと思う)の子供を苦労して育て大学までいかせたという。ただ、その後お気の毒なことに、阪神・淡路大震災で、家族も家も全て無くしてしまう。

そして震災復興のボランティア活動を12年ほど続けたものの、その後生きる気力を失った。しかし、亡くなった家族からの励ましの声も感じ、一念発起して学びの日々に今は喜びと生きがいを見出している。住んでいる場所も西成の簡易宿泊所で、そこから御堂筋線で夜間中学に通っているが、石田さんの眼は輝き、背筋も伸びているように見えた。

誤解を恐れずに言えば、83歳の人が今更中学校の勉強をして何になるのか?意味があるのか?というのが素直な感想でもある。しかし、何かしら石田さんのこの生き様はストレートに人に感動と勇気・元気を与えるものだ。

尤も石田さんは別に他の人に何か認めてもらいたいとか、元気を与えたいということではなく、本当にやりたかったことをやってるだけなのであろう。

では、何故石田さんの生きざまに人は感動するのか、少なくとも筆者が感動したのか。それは、やはりどんな逆境でも、好奇心を持ってポシティブに前向きに生きている姿にシンプルに感動するのだと思う。ハンディキャップのある人のスポーツパフォーマンスや音楽の演奏が、健常者以上に立派に行われるのを見て、我々が心を打たれるのも同じだ。

そして、「人のふり見てわがふり直せ」ではないが、漫然と生きかねない自分に対する反省や戒めの気持ちも同時に起こる。

そして、「年だから」とか「体が不調だから」「○○がないから」「そもそも生きる意味は」などというのはただの言い訳に過ぎないのかもしれない。

石田さんには、この後も高校、大学と勉強を続けて、将来的には先生にでもなったもらいたいものだ。

 

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