H-202312 スーパーシニア列伝(その2)

去る2023年11月2023年、著名な投資家のチャーリー・マンガー氏が本年11月28日に99歳で、また先般のスーパーシニア列伝でも触れた、ヘンリー・キッシンジャー氏が11月29日に100歳で、相次いで亡くなった。両名とも生涯現役で活躍し、認知症などとは無縁の充実の人生を送ったことは論をまたないであろう。

それでは、周知ではあるが、二人の功績を振り返ってみたい。

まず、6歳年下のウォーレン・バフェット氏と共に、バークシャー・ハザウェイ社を大きく育てた、チャーリー・マンガー氏。

同氏は投資の分野では著名な人物で、彼の功績としてはバリュー投資法の提唱や、ロングタームでの企業評価の手法が有名である。同氏とウォーレン・バフェット氏の関係は、長年の友情とビジネスパートナーシップで知られ、二人三脚でお互いに意見やアイデアを出し合い、成功裏に投資を進めてきた。マンガー氏の投資哲学の、「まずまずの会社を素晴らしく安い値段で買うよりも、素晴らしい会社をまずまずの値段で買う方がよい」という英知は、金言だろう。

続いてヘンリー・キッシンジャー氏。同氏は国際外交の舞台で活躍し、ベトナム戦争の終結や米中関係の正常化や東西緊張緩和デタント政策を進めた。特に1973年には、ベトナム戦争終結に向けた交渉の功績により、ノーベル平和賞を受賞した。一方、ベトナム戦争を長引かせたのも同氏であるという批判もない訳ではない。またウォーターゲート事件にも関与していたとの噂もあった。(証拠は出なかったが。)キッシンジャー氏は良い意味でも悪い意味でも、国際舞台で暗躍していたのだろうと思う。

なお、両氏とも不思議なことに、共通して中国に対しては好意的というか積極的な見方をしている。推測だが、結局中国という大国を上手く取り込まない限り、世界平和も世界経済も維持できないということかもしれない。当たり前といえば当たり前だが。ただ一方でアメリカという世界の警察官がいなくなった今、独裁の国々をどうやって統べることができるのだろうか。単純な性善説では対応できないだろうし、そんなことは二人とも理解していただろうから、二人にはもう少し具体論も含めて今後のことを聞いてみたかった気もする。

何れにしても、死の直前まで頭脳明晰で、世界に発信と影響を与え続けてきた二人に合掌。

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